優しいきみ

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 彼の顔は長い長いツバとふわふわの前髪で隠れている。 その上今日は地面を見つめてとぼとぼ歩いてくるものだから普段以上に顔が見えにくい。だけど肩を落として歩くその姿が小さく泣き虫だった少年の姿に重なって見えてしまったものだからつい手を伸ばしてしまった。
「グルスくん、グルスくん、おーいグルスくんてば。 ああやっぱり。君は泣き虫 さんだねぇ」
「なっおれは泣いてなんか!」
彼を見上げてみれば歯を食いしばる顔と揺れる瞳がよく見えた。
「どうかした?」
なんて、言ってみたが分かりきっている恐らく記事のせいだろう。 各国の情勢が紙面を賑わせるその内のひとつ。凄惨な場面を切り取った写真。助けられたはずの命。それは過日の私の任務地だと彼は知っていたのだろう。
「泣きてのはあんただろうに」
「なんでだろうね。君があんまり泣きそうだからかなぁ」

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